#cnic 3/29 CNIC公開研『福島原発で今なにが起きているのか』2/3文字起こし http://bit.ly/fo63IN

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澤井)この原発の中で何が起こっているのか、どうなっていくのかについて後藤政志さんからお話を頂きます。後藤さんの専門は原子炉格納容器の設計ということで、今回発言をするに至った経過も含めてお話しをお願いいたします。

後藤)こんばんは、後藤です。私は元東芝で原子力プラントの設計に携わって参りました。地震がありましたときに、調布のほうにおりまして、その日は家に帰れなくて泊まったんですね。それで家に帰りましてから原発が危ないという話を耳にしまして、そのときに格納容器の圧力が既に設計圧を越えているということがわかったんですね。2倍近くまで増えてきました。これはもう緊急事態でありまして、格納容器というのは最後の砦なんですよね。そこが設計条件を越えているというのは、どういうことなのかと申しますと、炉心溶融が始まっているというのが直感だったんですね。これはスリーマイルにいくとすぐわかりました。いてもたってもいられなくていたところに、たまたま発言する場がありまして、実名でお話しさせて頂くという機会になったわけです。私自身は福島のプラントは設計しておりません。ただ、柏崎とか女川、浜岡等の一部のプラントの格納容器に携わっていました。設計部門だったんですけれども、実際にやってました仕事は格納容器がどのくらい持つか、圧力・温度でいつ壊れるか、どのくらいで壊れるかが専門です。ですから日本のBWRですね、MarkI MarkII、ABWRとありますが、それらの型式全部について研究をしてまいりました。米国のサンデー国立研究所、英国のAEAテクノロジーとかそういうところと共同研究しました。きわめてクリティカルな問題なんですよね、つまり放射能を閉じ込める容器が壊れるかどうかというぎりぎりの瀬戸際のことですね。それに関しまして、今行われていることがどういう意味かということに関しては、私の専門でございますのでかなり詳しくお話しができます。原子力プラントの一般の話も多少はできると思います。ただお話し申し上げときたいのはですね、技術というのはご承知の通り、細分化されています。ですので決して私がすべてわかるわけではございませんので、私からみました視点ということでご了解頂きたい。でまたご批判もあると思います。もちろん間違いもあると思います。それからデータが非常にないです。これは後で申し上げますけれど、きわめてプアです。この状態の中で我々は判断しなければならない、という状況にあることをご理解頂いた上で私のお話を聞いていただきまして、よろしくお願いします。