書評

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ジャン・ジャック・ルソー『学問芸術論』

  • 2013.07.02

学問芸術論 (岩波文庫 青 623-5)(1968/12/16)ジャン・ジャック・ルソー 商品詳細を見る ※《》は本書からの抜粋である。 本書『学問芸術論(論説部分)』は、ルソーが1750年のディジョンのアカデミーの懸賞論文「学問と芸術の復興は、習俗の純化に寄与したか、どうかに、について」意見を述べたものであり、またルソーの処女作でもある。短い序文に、学問・芸術と習俗との関係を歴史的に考察した第一 […]

書評『フーコー入門』(中山元)

  • 2013.06.25

フーコー入門 (ちくま新書)(1996/06)中山 元 商品詳細を見る  本書はフーコーの考えを、フーコーの生き方とともになぞるものである。フーコーは前期と後期で考えが変わった、などと批判されることがあるが、フーコーの考え全体に一貫したものが読み取れる、と著者はいう。  《「わたしが試みているのは、診断すること、現在の診断を実行することです。それは現在のとはどのようなものであるか、現在われわれが語 […]

「近代のルネサンス概念の発展」(トレルチ)

  • 2013.06.25

19世紀にルネサンスが発見されたのは、19世紀の精神史と直接関係がある、とトレルチは指摘します。つまり《近代的生それ自身は、合理主義、機会主義、そして個人主義的懐疑主義、の手中に帰した》ので、失われた生を取り戻すためにルネサンスが着目されたというわけなのです。   前の日記でも述べたとおり、ルネサンスという運動は、芸術的貴族主義(既存権力との迎合関係にあるという意味)なのでした。庶民に普及したわけ […]